X'mas☆stories
「あぁーっ、俺もあと1週間で本番かあっ!!」
妙なテンションになる篤人。
それもそのはず。
こいつはイブの日に片思いしている女の子にコクるから。
あたしとは違って、ふわふわして笑顔がやからかくて、女の子代表としてふさわしい子だ。
そして同時に、嫉妬しているあたしがいるのも事実なのだ。
毎日のようにあたしの部屋に上がり込んでは、告白のセリフをあたしに言って意見を聞こうとする篤人。
どれもこれもイマイチで、本番では使い物にならないセリフ。
でも、すごく気持ちは伝わってくるんだ。
あたしにだけ言ってくれる、毎日ちがう告白。
聞けるのはあたし1人。
でも、あたしをみてくれない。
優越感と嫉妬心があたしの中でいつも渦巻く。