Sweet Sweet…


な…


何故こんな事に…?!


うなだれている私の隣には、にっこり微笑む莉奈。


目の前には、莉奈と同じような笑顔を浮かべ、莉奈を招き入れているお母さん。


事の発端は今から丁度5分か6分前……。



『じゃあね、莉奈。また明日ねー♪』


私はいつものように曲がり角で手を振り、莉奈に言った。


しかし……。


『陽菜!今日はたぁっぷり恋話するわよ!!』


『へ?』


何故か私について来る莉奈。


あれ?
莉奈の家ってこっちじゃない…よね…?


私が、首を傾げて“?”マークを頭の上に浮かべているのもお構いなしに、莉奈は私の腕を引っ張ってズンズン歩く。


『さぁっ!陽菜の家にレッツゴー!!』


『ちょっ…ちょっと…莉奈ぁぁぁ〜!!』



…とまぁ、半ば強引に私の家に連行(?)された。


そんな訳で…。


「じゃあ、ゆっくりしていってね〜♪」


「はぁい☆」


「……」


私の部屋に二人分のジュースと、お母さんお手製のマドレーヌを机の上に置いて行く我が母。


お母さんって掃除や料理だけじゃなくってお菓子作りも上手なんだよね。


――…とか思ってるじゃないって!!


「り…莉奈…?」


「ふふふふふ………」


莉奈の笑顔が……
かなり妖しい……!!


何故だ…!!


何故に笑顔が怖いと感じるのだ…!?!


笑顔って……
癒されるモノじゃなかったっけーー!?


「陽菜……あんた顔面崩れすぎ。何一人で百面相してんの?」



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