Sweet Sweet…
私はその男子生徒を見て、固まってしまった。
端正に整った綺麗な顔。
サラサラしてそうな艶のある黒髪……。
全てが完璧な容姿。
女の私でも羨ましいと思ってしまう程綺麗な男の子だった。
自分を見つめたまま身動き一つしない私を見て眉を潜める男子生徒A。
(↑Aって……。<苦笑)
何コイツ…的な目で私を見る。
そりゃあそうだよね。
私がぼけっとしていると、男子生徒が益々険しい表情をした。
理由は私じゃない。
多分……。
廊下から聞こえる、
「宮田くぅ〜ん!」
と言う女子の黄色い声のせい。
……多分。
って言うか…、“宮田”ってこの人?
何でこの人逃げて(?)るの?
……なんて考えてる内に、いきなり教室に入ってきた男子生徒は、サクサクと窓辺へと歩む。
そして。
窓の縁に手をかけ……?
ま、まさか……
「ちょっ……ここ2階…」
私が言い終わる前に男子生徒は窓から飛び降りた。
どんだけ捕まるのが嫌だったんだよ……。
慌てて男子生徒が飛び降りた窓辺に駆け寄る。
そこから下を除くと……
「!?」
先程の男子生徒が綺麗に着地を決めた所だった。
どんな運動神経な訳?!
2階から軽やかに(?)飛び降りた人なんて初めて見たよ……。