―先輩― だいすき (完)
「あっそうだ。お兄ちゃんどこにいるんだろ?」
すっかり忘れてた。
どんな人なんだろう。
まあそんなには興味はない。
でも、あかねのお兄ちゃん
だからきっとかっこいいんだと思う。
「お兄ちゃんたち、もうお祭りにいるって。」
「ふぅ〜ん」
「あっいたいた!
お兄ちゃん!」
まだ遠くにいて見えない。
だんだん人影が近づいてくる。
「おぉ、あかね。」
やっぱり、イケメンだった。
彼女さんもかわいい。
お似合いだな、なんて思いながら見ていたら、
「この子が、みさちゃん?」
「うん。そうだよ。
かわいいでしょ?」
「うん。かわいいね。」
「何言ってんの!ばかあかね!」
彼女さんからの視線があまりにも痛くて、
早くこの場から逃げたかった。
「私、クレープ食べたい。
早く行こ!」
「う、うん。じゃあね!お兄ちゃん。」
「あぁまたな。」
「さようなら」
あぁきっと無愛想に思われちゃったんだろうな………
いっつもそう。
みさ=クール、無愛想
そんなのは本当の私じゃないのに、
そういう態度とってしまう。
ばかだな自分。