気分 短編
そういって差し出す手。
幽霊って触れる?
というバカな疑問が頭をよぎったケド無視した。
『華の誕生月の宝石…アクアマリンだよ』
……。
キラキラ輝く、透き通った水色の宝石がついたネックレス…
『じゃあな…』
「待って…!
波月!! ありがとう!」
波月は一度だけ振り返って微笑んだ。
「待って…!」
《ガバッ》
寝てた…??
じゃあ…夢…??
ふと手をパーにした。
キラキラ輝く、透き通った水色のネックレスを
強く…ひたすら強くなおかつ大切に握っていた。
夢じゃなかった…
分かったよ。
波月…私…幸せになるから。
絶対に…。
* *
桜の花が風に舞いながら散っている、道。
私は一人走っていた。