Sweet Sweet Christmas
「もう、陽っ!!
あたし、聞いてないよっ!!どっかに出掛けるなんて…。」

「だって言ってないもん。
はるを驚かせようと思って。」

「はぁ!?」

「それに…。」


ぎゅっと握った手を上に持ち上げた陽。


「クリスマスイブくらい、二人だけで過ごしたくない?」

「…それは…まぁ…そうだけど…。」

「今年は晴輝も陽菜も大切な人と過ごすみたいだし、俺たちが家に居る必要はない。
俺も仕事終わったし、ね?」

「…。」


こういう時の陽は、ずるいくらい可愛い顔をする。
そんな顔で言われたら、絶対嫌とか言えない。
もちろん、嫌なんかじゃないけど。


「はるは…俺と一緒に出掛けるの…嫌?」

「いっ…嫌なんかじゃないよ!!でも…。」

「?」

「ホントに大丈夫なの?
今年は受験生の担任なのに…。」

「うん。大丈夫。はるはそんなこと心配しなくても大丈夫だよ?」

「でも…。」


ここのところ毎晩遅くまで家に帰っても教材作ったりしてるの、あたし知ってるんだから…。
だから…心配なの。体のこととか、そういうの全部。

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