Sweet Sweet Christmas
「え…?」


顔を上げた先には…いるはずのない人。
でも声だけで誰なのかが分かる。



「久哉…?」

「お疲れ。今日も練習してたんだろ?」

「え…あ…うん。」

「梨絵んち行ってゆっくり休もうぜ?
あ、でも一応ケーキは買った。」

「え?あ…ちょっと待って!!
なんで久哉がこっちに…。」

「どうしても会いたかったから。」

「え?」

「梨絵にどーしても会いたかったんだ。
梨絵が忙しくて来れないんだったら、俺が行けばいいって思ってな。」

「だったらどうして連絡してくれなかったの?
あたしがいつ帰ってくるかなんて…。」

「梨絵を驚かせようと思って。
ま、最近のメールの感じからしてこのくらいの時間かなーって思って待ってた。」

「な…何時間待ったの?」

「1時間くらいかな。多分。」

「ずっとここで!?」

「だって見逃したら意味ないじゃん。
俺、梨絵んちまで多分一人で行けねぇし。」


久哉の無鉄砲さに何も言えなくなる。
もーっ…外はこんなに寒いのに…。

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