Sweet Sweet Christmas
「『若いご夫婦』だってさ。俺たち。」

「なっ…なに楽しんでるの?」

「え?だって単純に嬉しくね?
俺たちがそういう風に見られたってことがさ。」

「えっ…?」


久哉がいきなり真っすぐな目をしてそんなことを言うから、急に心臓の鼓動が速くなる。
…そんな顔はずるい。


「早く買い物終わらせて、梨絵んち行こうぜー。」

「うんっ!!」


あたしたちは食材を選んで、会計を済ませた。
あたしが詰めた袋をひょいと奪われる。


「あっ…あたし持つよ。」

「何言ってんだよ?
ただでさえそのでかいカバンに資料やらなんやら入ってんだろ?
さすがにこっちは持つって。
別にそのでかいカバンも持つけど?」

「だっ…大丈夫だよ。
…ありがとう。」

「いえいえ。
ってかこれで梨絵の左手空くだろ?」

「え?」


そう言った瞬間にあたしの左手は久哉の右手に奪われた。


「帰ろう、梨絵。
ってかどっち?」

「…そこは真っすぐ。」

「りょーかい。」

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