Sweet Sweet Christmas
ぎゅっ…


「え…?」

「ありがとう…聡…。」

「理沙子…?」

「あたし…クリスマスツリーなんて飾ったの、初めてだよ。
こんなに心が満たされたクリスマスも初めて…。
全部…全部…聡のおかげ…。だから…ありがとう。」


俺はゆっくりと理沙子の背中に手を回した。
そしてぎゅっと自分の方へと引き寄せる。


「理沙子から抱きついてくるなんて、どういう風の吹きまわし?」

「だっ…だって…嬉しかったんだもん。それに…。」

「?」

「こうやってくっつきたかったし…。」

「素直で可愛いな、理沙子。」

「…。」


真っ赤に染めた顔を俺の胸に埋める理沙子。
可愛すぎるだろ、そんなの。

そんな理沙子の可愛い顔がもっと見たくなって、俺は一度、彼女を放した。


「ライト、点けよっか?」

「…うん。」


俺はコンセントを差した。
ピカピカと点滅するライト。
そして、俺は部屋の明かりを落とす。

< 59 / 65 >

この作品をシェア

pagetop