彼はそそくさと帰る準備をし、
「じゃあな」
とあたしの髪にそっと触れた。


玄関まで見送ろうと立ち上がるあたしを見て、

だけど、

あたしが玄関にたどり着くのを待たずに、


ドアを閉めた。



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