完璧男子
「もしもし?」


 やばっ!!


 出ちゃった…。


「なんか用? もう分んねぇとこ見つかったのか?」

「…っ…そっ…そうなんだ!!」

「バカだろ。 どこ? 家来る?」

「へっ!?」



 蓮の家なんて何年行ってない。



「来るの? こねぇの?」

「行く!!」

「じゃ、来いよ。」



 約束しちゃった…。


 私は急いでお気に入りのワンピースに着替えてちょっとおしゃれな鞄に勉強道具を詰め込んで新色のグロスをぬってブーツをはいた。



「こんなもんでいっか♪」


 あんまり気合を入れたように見せないのがコツって晶が言ってた。


 よく意味がわかんないから私なりに晶の指示通りに動いた。




 ――――ピーンポーン  ガチャッ


 インターホンの向こうから聞こえた蓮の声。


「早いな…入って?」

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