完璧男子
「熱測って」


 夕菜ちゃんに体温計を渡される。




「…38度5分…」

「…早退しよ」

「…ヤダ」


 今日は始業式とロングホームルームだけだもん。



 お昼には終わるし…。



「ダメ」

「ヤダ」



 夕菜ちゃんとやり取りをしていると歩夢君がストップをかけた。


「はいはい。そこまでー!! 優枝ちゃん、どうしても帰りたくない?」

「…ぁぃ…」

「どうして?」

「蓮に心配かけたくない…」




 実は朝から調子が悪かった私。




 蓮と手をつないだとき気付かれないか心配だったけど…ここまで熱があったとは自分でも驚きです。




「朝、手つないでたよね?」

「うん」

「その時…蓮気付かなかったの?」

「たぶん」

「鈍いねー」



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