完璧男子
 長く長く感じた始業式はやっと終わり教室に戻る。


「じゃー、1年から移動!!」


 そういわれてぞろぞろと立ち上がるクラスメイト。




 …立てない…。




 足が震えて力が入らない。



 横にいる蓮はすでに立って歩いて行った。




「早く立てよー」


 なかなか立たない人に注意し始める先生。




 もうすぐここに来る。




「どーした、笠間。」

「…た…てな…ぃ…んです…」

「そぉか。 じゃあ、先生につかまりなさい♪」



 なぜか嬉しそうにしている先生。




 手を差し伸べてくる50代の男の先生。




 私は遠慮なくその手に自分の手を伸ばす。




 ――――パシンッ




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