完璧男子
「…3人そろっていねぇと思ったら…んなことで何やってんの?」


 ひょこっと顔をだしたのは蓮。




 辺りを見渡して夏川さんのところで動きを止めた。

「誰、あれ」


 そういうと私の手を歩夢君から解き握った。


「夏川 愛さん…」

「誰だそれ」

「笠見の…支社?に当たるのかな?」

「…ふ~ん…ザコいな」



「ちょっ、ちょっとぉ~!! 一般市民が口に出すのも許されない笠見財閥をなんて馴れ馴れしい呼び方をするのぉ?」


 腰に手を当てて言う。



「潰されたくなかったら黙ってくんね?」

「ワイルドな蓮君もかっこいぃ~!!」



 1人別の世界に行ってしまっている夏川さん。




「2人とも世界一可愛い私のものよぉ~」


 そう叫ぶと蓮の元に走って行き腕に絡みついた。





 少し、晶を思い出す。




 胸の奥がギュッとしまって苦しい。




< 266 / 506 >

この作品をシェア

pagetop