完璧男子
「痛むか?」

「…うん」

「…晶だよな」

「…ッつ…」



 ズバッと名前をだされて反応しちゃう。



「何にも心配することなんてねぇから」

「分かってる…分かってるけど…怖いの…」

「もう誰も優枝を裏切らないから…な…? 橘も歩夢も俺もみんな優枝の味方だ」

「うん…」




 ギュッと私を胸の中に納めて頭をゆっくりと撫でてくれる蓮。



「北見様ー」


 しばらくすると看護師さんが蓮の名前を呼んだ。


「ほら、行くぞ」


 蓮が先に立ち上がり、手を差し伸べる。



「うん…」



 ゆっくりと重ねると私に負担がかからないように歩きだす。




「こちらにどうぞ」


 案内された場所まで行き、椅子に座った。



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