完璧男子
「こっ、怖かったぁ…」


 私の横にペタンと座り込んだ夕菜ちゃん。



「ごめんね…私のせいだ…」

「優枝ちゃんは被害者でしょ。関係ないよ」




 しばらくして蓮と歩夢君と塚本さんが迎えにきた。


「優枝!!」

「夕菜大丈夫!?」



 塚本さんが運転する車から降りると私たちの元に駆け寄ってきた。


「愛斗から連絡貰って…なんのことかさっぱりわかんねぇんだけど…何があった?」



 愛斗君は何も説明していないよう。




 ここは話すべき……?




 一瞬、戸惑った。



 あ……蓮に言われてる。



 『俺を頼れ』って……。





 もし、ここで私が話さなかったら…蓮を裏切ることになるんだ。




 それは嫌。



 ちゃんと話さなきゃ…。




 そう思って私はゆっくりとその場で話し始めた。




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