完璧男子
「よしっ!! 行くか!!」


 さりげなく私の手を取って部屋を出た。



 外に出ると少し曇り空。




 雪…ふるのかなぁ?



 近くの並木道を歩く。




 春には桜が満開になるんだよねー…早くみたいな。



 そんなことを考えながら、ゆっくりと歩く。




『きゃぁー…見てよ…あの人かっこいー…』

『うわっ…モデルさんかなぁ? 話しかける?』



 そんな声が聞こえてくる。



『やめときなよ。隣に女いるじゃん。彼女だって』

『でもさぁ…菜々のほうが可愛くない?』

『自分で何いってんのー。でも、菜々なら勝てそうだねー』




 2人組の女の子たちがそう話しながら近づいてくる。


『あのぉ~…』



 とうとう、蓮の前に立って話しかけてきた。




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