完璧男子
「うわぁぁ…」


 何年ぶりかなぁ…。




 そこにはたくさんの音・人でにぎわっている。



「ちょっと待ってろ」



 そう言って入場券の売り場に走って行った蓮。



「座ってよ…」


 近くにあったベンチに座ってじっと待つ。




 遠くにいる蓮が見える。



「楽しみだな――」



 1人で笑ってる私。




「…怖いんだけど」

「ふふっ…」

「おい、優枝。」

「えへへ――ッ……ん…?」


「馬鹿」

「れっ、蓮!?」

「蓮」



 蓮は自分の手で自分の顔を指さし、そう言い放つ。



「何、1人で笑ってんだよ」

「だってー…楽しみなんだもん」

「はいはい。 行くぞ」



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