完璧男子
 うっそ……。


 ずーーーっと本物だと思ってた。



「そりゃ、本物だったらこえぇよ」

「……ふぇ…っ…」


 本物じゃないことを知って視界が歪む。



「…はいはい…」


 蓮に背中をポンポンとしてもらって落ち着く。



 ゆっくりと顔をあげてお化け…役…の人を見る。




 やっぱ怖いよぉ…。




「蓮っ…行こ?」

「わかったから…あんま近づくなって…」



 蓮を見るとほんのり顔が赤い。



「熱…あるの?」

「ない」

「ここ暑い?」

「暑くない」

「どうしたの?」

「優枝が…近すぎだから///」


 ボッと赤くなっていく私の顔。



 蓮のほうが近いよ…。



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