完璧男子
 観覧車に乗りこむとちょうど夕日がいい感じになってきているところ。


「綺麗――…」

 さっきからこれしか言ってない。



 このあと帰ったら、パーティーだ…。


「ドレスなら迎えの車ん中に入ってるから着替えとけよ?」

「あ、うん」



 …ん?


 着換えろっていった!?



「着替えるの? 車の中で?」

「家に帰る時間なんてないからな」



 恥ずかしいじゃん…。



「れっ…」


 蓮は着替えないの?


 そう聞こうと思ったのに、キスで塞がれた。



 あ、頂上かぁ…。


 ボーっと考える私の頭はの思考回路はだんだん停止していく。



「プハァっ!!」

「プハァはねぇだろ…色気ねぇな」

「苦しいんだもん…」

「はいはい」



 前に座ってる蓮の顔はほんのり赤い。



 夕陽のせい?


 キスのせい?



 私はキスのせいで顔は真っ赤だと思う。


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