完璧男子
 俺は塚本に視線を送った。



『優枝を助けろ』 と。




 だけど塚本は塚本でやべぇことになってる。




 あいつ顔だけはいいから女に囲まれてる。





 俺はさっきより比べられないほど早口になり、次の話へ次の話へ飛ぶ。





「あぁ!! めんどくせぇな!!!」



 最後にはそういってマイクを通したまま大声をあげた。





 やべ…っ…




 塚本も塚本の周りの女達も優枝も優枝の周りの男達もこっちを見る。




 もういい。



 挨拶なんていらねぇな。




 つか、手遅れ




 そう思った俺は優枝に向かって手真似ねきをした。



「優枝? こっちこい」


< 326 / 506 >

この作品をシェア

pagetop