完璧男子
「優枝? どうかした?」

「……なんかね…視線感じるんだよ…」



 いつもより敏感になってるから…ちょっと過剰になってるんだよ。



 きっと。




「しっ!! 優枝…そういうこと言うと一気に近づいてくる可能性がある…」


「あっ、ごめん…」




 バイト先に初めて向かう途中。




 蓮に連れられて大通りに出た。



「ここならまだ…安心だろ?」

「うん…」




 ヘタな隠れ方をして人影の少ない所に入ると、相手の思うつぼなんだって。




 無事にバイト先についたころにはくたくた。



「お! 今日からバイトの子?」

「あ、はい」

「なんかお疲れの様子だねー」



 機嫌の好さそうな男の人が出てきた。




 どこかでみたことある…顔だな。



「俺は 橘 夕司(たちばな ゆうじ)!!」

「橘の親父さんだよ」



 夕菜ちゃんの…?


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