完璧男子
「おぅ!! 夕菜がいつもお世話になってるな♪ あと海司!! 降りてこい~、今日からバイトに入ってくれる可愛い子!!」



 大きな声でそう叫ぶと上からものすごい音と共に降りてきた男の人。




「あっ!!! 優枝ちゃんじゃん!!」


 私のことを知ってる様子。



「え?」

「あっれ~? ちょっとこの前に会ったばっかりなのに酷いな(笑)」




 誰だっけ…?



「あぁ…この前の合コンにいた人じゃねぇの?」

「え―――っと…あぁ!! 橘さん!?」

「せーかい!! 夕菜の兄でーす♪」




 夕菜ちゃんのお兄ちゃんだったんだぁ…。



 あんまり似てない…。



 夕菜ちゃんはほんわかしてる感じだけど…お兄さんは…なんていうか…チャラい。



 目が似てる気もする。




「とにかくだ!! 今日から結構たくさんのバイトの子が増えてくれて…にぎわいそうだな」


 親父さんは豪快な笑い方でコップを磨いてる。



「店長にはちゃんと事情話してあるから大丈夫」



 こそっと耳打ちをした蓮。





「あっ、そういえばさぁー…優枝ちゃんって笠見財閥の令嬢なんだって?」


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