完璧男子
 え……。



「コラッ!!! 海司!」

「へ?」

「お前、事の重大さがわからないくせにそんなことを軽々しく口にするな!!」

「え――と…俺、怒られることした?」

「優枝ちゃんは確かに令嬢だ。誰か知らないが…それを街中に言いふらして…優枝ちゃんは命を狙われてるんだ」



 さっきより小さい声で話しだした夕菜ちゃんパパ。



「うっそ…マジで?」

「わかったならさっさと手伝うか部屋に戻れ」

「ちょっと待って。 優枝ちゃんの彼氏さん? ちょっといい?」




 蓮は?マークを浮かべた。



「優枝から離れるとまずいんですけど…優枝もいいですか?」

「あー…う…ん」



 気まずそうにこめかみを少し掻くと手招きをした。




 海司さんの部屋であろうところに入ると海司さんは土下座をした。



「ごめん!!!」

「はい?」

「俺がそんな理由も知らずに友達に言った」

「え…」

「ホント、ごめん!!! ぶん殴ってもいい」

 

 海司さん……。



「殴ってももう遅いし…何も解決しねぇ…」

「蓮…?」

「なんでわかったんだよ…俺らが…跡取りだって…」



「3万置いてっただろ…? あれだよ」

「……俺のせいじゃねぇかよ…」


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