完璧男子
「お客様。コーヒーお待たせしました」



 蓮が私の注文を聞いていたのか、コーヒーを持って引きつった顔で歩いてきた。




「ここ何時にバイトって終わるの?」

「…お客様に教える必要はありません」

「…キミに聞いてないよ」

「優枝には手をださないでくださいませんか?」




 えと…っ…どうしよう…。




 その時、さっきの美人のお姉さんに手招きされた。



 私はそろっとその場を離れてお姉さんの方に行った。




「はい」

「優枝ちゃん。ちょっと…」




 そういって耳を貸せというようにジェスチャーをするので私は耳を近づけた。





「!?」





 一気に遠くなる意識。





 ボォーッとする中、お客さんはレジにお金だけ置くと私と連れて見つからないようにお店から出た。





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