完璧男子
「身代金がもらえればね…大体さぁ…お前ら、優枝ちゃんに甘すぎ」

「はいっ?」

「ケータイくらいいいだろ。って思ってんだろ? ここが安全地帯だからって」

「…安全じゃないんですか?」

「向こうは世界の財閥だぞ? 何を考えてるか、何を発明してるかなんていくらでも秘密にできるんだよ」




「…申し訳ありません」




 そう言うと、女の人は手に持っていた私のケータイを再び引き出しの中にしまった。




「蓮君心配してたよ?」

「えっ……」




 怖くてフリ向けなかったのに蓮のことになるとあっさりと振り返ってしまう自分が怖くなってくる。



「あ……」




 この人……知ってる。




「さっきはお店でからんじゃってごめんね♪」



 私にバイト終わった後空いてる? と聞いてきた人だ。




 あれで蓮をこの人に集中させたんだ…。


「…おっと……そろそろかな?」



 不気味に笑うとその人はまたあの引き出しを開けてケータイを取り出した。



「来てる来てる」







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