完璧男子
「犯人宛へのメッセージ」




　男の人はそれを見るとニヤリと笑ってケータイを閉じた。




「3億くれるってさ。優枝ちゃんも解放が近いよ?　よかったね」





　パパやママ…蓮達が一生懸命働いて集めたお金が私1人のために3億失うなんて……。





　駄目だよ。





　それならいっそ、私がこの状態のまま飢え死にして蓮たちはいつもどおり働いたほうがいいにきまってるよ。





「その取引…断ってください」

「は?」

「3億なんてダメです」

「何いってんの?　解放されたくないの?」

「…されたいです…でも…私1人のために…みんながはたらいてきたお金をこんな人たちに渡しちゃうなんて…」



「…頭大丈夫?　君さ、命狙われてるんだよ?　俺らもし3億くれなかったらマジで殺すつもりだから」



　…っ……




「もし、蓮君が捕まって…優枝ちゃんが残ってたらどうする?　今の立場が逆になるの」




　お姉さんが話しだした。




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