完璧男子
「もしもし? 俺、犯人」



 声を変えることもなく、そのままの声をだす。





 相当な自信を持ってるのかな。




「今から優枝ちゃんを解放する。ただしだ、俺らを捕まえようなんてしてみろ? 優枝ちゃんの命はない。 解放した後もだ」




 どうやって私を解放した後、命を奪うのかはわからない。





 でも、真剣な表情。




「俺らだってな、こんな可愛い女の子の命は奪いたくないよ? だから、そうしてくれ」




 そんなの許されると思う?



『優枝をなめんじゃねぇ…』



 蓮の声が電話越しに聞こえた。




 そうだ……私…こんなのときのためにいろいろ昔からやらされていた。




 私は立ち上がるとまずは女の人に近づく。



「なっ、何!?」

「失礼します」




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