完璧男子
「こんにちは~」



 パパは相変わらず無邪気な笑顔。




 あんな人が社長で大丈夫なのか。




「今日はですね、ひとつお話しがあって参りました」



 パパはそういうとさっきより少し真剣な表情になった。





「実は…ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが…私の大事な娘が誘拐されました」


「え?」


 キャスターの人は大きな声をあげた。




「幸い、この蓮君が見つけてくれたのだが……身代金などの要求があったもので…。もし、これからもそんなことがあったら…笠見財閥は爆発する。 娘は見た目以上におそろしい。 簡単にみると痛い目に遭う」





 何だろう。



 すごくバカにされてる?




「家族・恋人・会社を守るためなら手段を選らばない。もし…誘拐した方…あなた方の命はありませんよ。娘だけじゃなく…私たちも手段は選びませんよ」




 パパはそういうと蓮のほうを見た。




「もちろん僕も彼女のためなら手段を選びませんよ? もしかしたらあなた方の大切なもの…壊しちゃうかもですね」



 そういっていつもの営業スマイルを見せた蓮。





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