完璧男子
「相変わらず戦場だ…」


 ここの学校の購買はいっつもお昼時は戦場になってる。



 一個でもいいからゲットしないと…。



 そう思ってパンの棚に手を伸ばす。



 全然届かないよ…。



「んっ…届けっ!!」


 必死に伸ばすけど残りの距離は30cmほどある。


「お昼なしはやだっ!!」


 私は身長が低いからすぐに人ごみにのまれちゃう。



 今日もそう。



 前にいた身長の高い男の子のひじがバックしてきた。




 ―――――ガツッ


「いったぁっ…ぅ…ッ」


 おでこに直撃した。


「あっ、わりぃ…ぅわっ…優枝ちゃんだ…」

「…っ…なんでっ…すかっ?」



 苦痛にこらえながら返事をする。


「痛かった? あっちで手当してあげるから行こ?」

「いやっ…あの…お昼食べたいんで…それに…平気なんで…っ」



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