完璧男子
「優枝…っ……頼むから…俺の傍から消えるな…」




 優枝がいなくなったら、俺…どうすりゃいい?






 空っぽの人間になるなんてごめんだ。








 俺ら…神様に嫌われることしたっけ?






 時間だけがゆっくりと動いてあとは何も感じない静かな空間になっていく。




 目の前にいる優枝が起き上がるのを待つように。






「…北見…蓮さんですか?」



 俺と優枝を離れさせるかのように話しかけてきた知らないおっさん。



「…なんすか」

「重要参考人として…署まで同行願いたい」

「…ムリです」


 今は優枝から離れるわけにはいかねぇよ。



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