完璧男子
「後ろのって」

「へ?」

「後ろ乗れっての」

「ぅ…うん」



 置いてかれるのかと思ったら乗っていいの?



 後ろにのって蓮の背中をぎゅっともつ。



「行くぞ」

「うん♪」


 景色が次々と流れていく中蓮が話しかけてきた。


「足、痛いか?」

「…ちょっとね」

「ちょっとじゃねぇな…」


 …なんで分かるの!?


 ホントはすっごく痛い。



 私としたことがしくじった…。




 学校について自転車を止めているとやっぱり視線が痛い。


「ほら、手」

「えっ、…うん」


 ゆっくりと蓮の手に自分の手を伸ばす。


 ないより全然支えられて楽だった。





 靴箱から上履きをだす。




 …!?



 すぐにしまった。



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