完璧男子
 スタートの笛が鳴って一斉にみんなが走り出した。



 男子とは距離が違う。




 私たちは3km。


 男子のみんなは5km。




 私もゆっくり進み始める。



 クラスでも少しぽっちゃり系のみんなと一緒に進んだ。



 晶は足が速いから先にいくねと行ってしまった。




「優枝ちゃん…」


 後ろから聞こえた疲れ果てた声。



「えと…」

「同じクラスの橘 夕菜(たちばな ゆうな)…」

「橘さん…?」



 少しぽっちゃりしたふんわり系の女の子。



「今日…ごめんね…。」

「え?」

「私、ギャルのみんなが優枝ちゃんの机にお花……置いてるの見てたのに…何も言えなかったんだ…」

「大丈夫だよ? 言ってくれてありがとう。 私でももしかしたら言えなかったかもしれないもん…」



 泣きそうな顔で私に「ごめんね」と言ってくれる夕菜ちゃん。




 1km走り終わったあたりで足が限界に近づいた。



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