完璧男子

　学校に戻ってくるころはまだ誰も戻ってきてなかった。



「近道してきたからな」

「へー…」

「優枝ちゃん、保健室行こう?」


　夕菜ちゃんの言われたとおりに保健室におんぶされたまま向かった。



　そこにはなぜか歩夢君がいた。


「おかえりー…」


　少し頬が赤くなってる歩夢君に夕菜ちゃんの顔はたこさん。



「何やってんの…歩夢…」

「いやー、蓮が来る前に学校に戻ろうと思って全速力で走ったんだ♪」

「歩夢君…速いね…」



　私と蓮で呆れる。



　夕菜ちゃんは顔が真っ赤。




「先生は?」

　私が聞くと歩夢君が答えてくれた。


「なんかねー?　女の子たちがバタバタと倒れるんだって。」

「え?」

「みんな、「蓮くぅん…おんぶしてぇ」って…みんな脈も平常だし熱もないんだって…」

「うざっ…」


　歩夢君は大げさに床に倒れこんで女の子たちのマネらしき行動をとった。



　みなさん…わざとなんですか…?



「じゃ、私がテーピングするよ!」


　夕菜ちゃんが手を挙げながら私の前に立った。


「できるの?」

「うん」