Lasting
第6話 推理
夕刻、橘総合病院・小会議室にて―――
「クオンの傷口からも、同じもんが見つかったよ」
重厚な黒革張りの椅子に座るミツキは、長机の上のBB弾を眺めて言った。
「あの距離は、改造エアガンじゃあ届かねぇ…てことは、やっぱ能力者の仕業だな」
ハルが白い天井を仰ぎながら、腰掛けた椅子のキャスターを少し後方へ滑らせる。
「でもさぁ、そんだけじゃどーにもならないじゃん。手掛かり少なすぎ」
眉間に皺を刻み、ミツキはため息をもらした。
「中等部だ」
窓際に佇んでいたシンが、小声で告げる。
「えっ??」
「犯人は、中等部の人間だ」
ミツキの反応へ、シンは振り向いて答えた。
「ありえるけどさー、能力者なら中等部に侵入することだって簡単じゃん」
ミツキが、困惑の表情で口元を歪める。
「だったら、わざわざ中等部である必要がない」
シンは端的に述べ、夕日をブラインドで遮った。
「確かに。高等部の傍には、もっと手頃な建物があるからな」
シンへ視線を送り、ハルが賛同する。
「つまり犯人には、あの時間、中等部にいなければならない理由があった」
腕を組むシンは、ゆっくりと椅子に座した。
「つーことは、中等部生か」
ハルが、一つの仮説を立てる。
「可能性として、なくはない」
考え込むような仕種で、シンは腕を組んだ。
「犯行現場に証拠が残っていたのは、撤収の際に慌てていた。だが、その反面、わざわざ中等部内で能力を使うといった、挑戦的で大胆な性質も持ち合わせている。複数犯であるとも考えられる」
考察を続けたシンを、ミツキが感心の眼で見ている。
「近いうちに、必ずまた仕掛けてくるだろう」
シンは鋭い眼差しで、ミツキとハルへ目配せをした。
「クオンの傷口からも、同じもんが見つかったよ」
重厚な黒革張りの椅子に座るミツキは、長机の上のBB弾を眺めて言った。
「あの距離は、改造エアガンじゃあ届かねぇ…てことは、やっぱ能力者の仕業だな」
ハルが白い天井を仰ぎながら、腰掛けた椅子のキャスターを少し後方へ滑らせる。
「でもさぁ、そんだけじゃどーにもならないじゃん。手掛かり少なすぎ」
眉間に皺を刻み、ミツキはため息をもらした。
「中等部だ」
窓際に佇んでいたシンが、小声で告げる。
「えっ??」
「犯人は、中等部の人間だ」
ミツキの反応へ、シンは振り向いて答えた。
「ありえるけどさー、能力者なら中等部に侵入することだって簡単じゃん」
ミツキが、困惑の表情で口元を歪める。
「だったら、わざわざ中等部である必要がない」
シンは端的に述べ、夕日をブラインドで遮った。
「確かに。高等部の傍には、もっと手頃な建物があるからな」
シンへ視線を送り、ハルが賛同する。
「つまり犯人には、あの時間、中等部にいなければならない理由があった」
腕を組むシンは、ゆっくりと椅子に座した。
「つーことは、中等部生か」
ハルが、一つの仮説を立てる。
「可能性として、なくはない」
考え込むような仕種で、シンは腕を組んだ。
「犯行現場に証拠が残っていたのは、撤収の際に慌てていた。だが、その反面、わざわざ中等部内で能力を使うといった、挑戦的で大胆な性質も持ち合わせている。複数犯であるとも考えられる」
考察を続けたシンを、ミツキが感心の眼で見ている。
「近いうちに、必ずまた仕掛けてくるだろう」
シンは鋭い眼差しで、ミツキとハルへ目配せをした。