Lasting
第7話 追蹤
「お兄ちゃんっ」
中等部の正門の近くに立っているシンの姿を見つけ、ヒカリが駆け寄る。
「ヒカリちゃん、お疲れーっ」
「ミツキ先輩っ…ハル先輩もっ」
門の陰から現れたミツキとハルに、ヒカリの目は丸くなった。
「今日は、俺達も一緒なんだけど…いいかな??」
ハルが、穏やかな笑顔でヒカリへ尋ねる。
「はい、もちろんですっ」
嬉しそうな表情に変わるヒカリは、頷いて答えた。
やがて、無言のまま、シンが一人で歩き出す。
「あ…待って、お兄ちゃん」
ヒカリは慌てて、シンを追いかけた。
その後へ、ミツキとハルも続く。
「今日、学校はどうだった??」
隣に並んだヒカリに、シンが切り出した。
「えっ??今日??えっと…」
突然の問いに戸惑うヒカリは、顎に手を当て考え込む。
シンは黙ったまま、その二の句を待つ。
「いつも通り、楽しかったよ??…あ、そうそう!1年生の子に、お兄ちゃんのこと聞かれたよ」
ヒカリの発言で、シンや後方に控えるハルは、わずかに目の色を変えた。
「『シン先輩と仲良いですよね??』とか、『昨日どんな話したんですか??』とか。お兄ちゃんのファンって言ってたけど、変わったこと聞かれたんだよね」
状況を思い出しながら、ヒカリが語る。
「確か、『アスワ』さんって名前だったと思う」
「そうか…」
付け加えるように言うヒカリへ、シンはそれだけ返し、肩越しにハルを一瞥した。
「えっ??何??」
視線を不思議に感じたらしく、ミツキが首を傾げる。
「何でもねぇよ」
得意げに笑うハルは、ミツキの髪を混ぜた。
中等部の正門の近くに立っているシンの姿を見つけ、ヒカリが駆け寄る。
「ヒカリちゃん、お疲れーっ」
「ミツキ先輩っ…ハル先輩もっ」
門の陰から現れたミツキとハルに、ヒカリの目は丸くなった。
「今日は、俺達も一緒なんだけど…いいかな??」
ハルが、穏やかな笑顔でヒカリへ尋ねる。
「はい、もちろんですっ」
嬉しそうな表情に変わるヒカリは、頷いて答えた。
やがて、無言のまま、シンが一人で歩き出す。
「あ…待って、お兄ちゃん」
ヒカリは慌てて、シンを追いかけた。
その後へ、ミツキとハルも続く。
「今日、学校はどうだった??」
隣に並んだヒカリに、シンが切り出した。
「えっ??今日??えっと…」
突然の問いに戸惑うヒカリは、顎に手を当て考え込む。
シンは黙ったまま、その二の句を待つ。
「いつも通り、楽しかったよ??…あ、そうそう!1年生の子に、お兄ちゃんのこと聞かれたよ」
ヒカリの発言で、シンや後方に控えるハルは、わずかに目の色を変えた。
「『シン先輩と仲良いですよね??』とか、『昨日どんな話したんですか??』とか。お兄ちゃんのファンって言ってたけど、変わったこと聞かれたんだよね」
状況を思い出しながら、ヒカリが語る。
「確か、『アスワ』さんって名前だったと思う」
「そうか…」
付け加えるように言うヒカリへ、シンはそれだけ返し、肩越しにハルを一瞥した。
「えっ??何??」
視線を不思議に感じたらしく、ミツキが首を傾げる。
「何でもねぇよ」
得意げに笑うハルは、ミツキの髪を混ぜた。