私の視線のその先に・・・

次の日。


「掃除とか・・・ダルっ!!!」


今日はボランティア清掃。

なぜか私のクラスは全員強制参加でボランティア、ではなくなっていた。


「なんで掃除しなきゃいけないんだよ~・・・」


恵那は隣でずっとグチを言ってる。


「まぁ、はやく終わらせて帰ろうよ。」


「だね!」



ボランティア清掃は学校の周辺地域のゴミを拾ったりする。

制服だと汚れてしまうから、ジャージに着替える。


「はぁ~。秀君は掃除やんないのかなあ・・・」



恵那はジャージ姿の秀君が見たかったみたい。


「部活の時見れるんじゃない?」

「そうだけどさ・・・。いつも体育着じゃん!!
  ジャージはあんまり・・。」


「きっと普通にだるいからサボってるでしょ。」


「・・・あたしもそう思う。」



ぶつぶつ話しながらゴミを拾っていく。

っていってもゴミなんかそんなあちこちに落ちてるわけがなくて・・・。


正直、時間の無駄。

なんでわざわざジャージに着替えてやる必要が・・・?



「・・・あ。」




私たちの目の前を通り過ぎたのは彼だった。


サッカー部の、キラキラしていた彼。

私は彼を知ってるけど、彼は私を知らないから名前では呼ばない。

だから・・・


キラキラ君、って呼ぶ。





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