私の視線のその先に・・・


「・・・かっこよ」


本当に自然に、ふいに出た言葉だった。

男の子にカッコイイ、なんて思ったのは生まれて初めて。

長い手足、男の子らしい肩幅。

なにもかもが本当に"カッコイイ"と思ったんだ。


「え、悠って将大くんが好きなの?」

「は!? 違う違う!!」


確かにカッコイイとは思った。

・・・けど好きになんてなれない!

なるわけがない。


「もしやの一目惚れパターン!?」

「ちっ・・ちがうっ!」


でもどうしても目で追ってしまう。

彼を、追ってしまうよ・・・。


「なにかあったら言ってね!協力するから♪」


「・・・きっとないけどね」


「えー!つまんないなー!」



絶対、絶対ありえない。

一目惚れで始まる恋なんかないんだ。

見た目で決めつける軽い恋はしたくない。




・・・彼のコトなんか好きじゃないんだから。




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