初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「あ……」
で、出ちゃった――
まさか、と思っていたから、あたしの頭は一瞬で真っ白。
『もしもし? あの、どちら様ですか?』
あっ、黙ってちゃダメよね……っ!
喋らなきゃ――
「あ、あのっ……その……しっ、志地雄シンさんの携帯……ですか?」
言葉を詰まらせながらも、なんとかそう言えた。
『――さくらちゃん?』
一瞬の間のあと、向こうが確認するようにそう聞いてくる。
「あの、は、はいっ……メイドカフェのさくらです――」
思わず、正座し直して大きく頷いちゃった。
『やぁ――電話してくれてありがとう』
すると、途端にシンさんの声が明るくなる。
「いえ、その――すぐに電話しなくて、申し訳ありませんでした」
電話で見えないって分かっているけれど、ついつい、ぺこりと頭を下げた。
今思えば随分とおかしいことをしているって分かるんだけど。
そんなことさえやってしまい、そして分からないくらいにあたしは強く緊張していた。
で、出ちゃった――
まさか、と思っていたから、あたしの頭は一瞬で真っ白。
『もしもし? あの、どちら様ですか?』
あっ、黙ってちゃダメよね……っ!
喋らなきゃ――
「あ、あのっ……その……しっ、志地雄シンさんの携帯……ですか?」
言葉を詰まらせながらも、なんとかそう言えた。
『――さくらちゃん?』
一瞬の間のあと、向こうが確認するようにそう聞いてくる。
「あの、は、はいっ……メイドカフェのさくらです――」
思わず、正座し直して大きく頷いちゃった。
『やぁ――電話してくれてありがとう』
すると、途端にシンさんの声が明るくなる。
「いえ、その――すぐに電話しなくて、申し訳ありませんでした」
電話で見えないって分かっているけれど、ついつい、ぺこりと頭を下げた。
今思えば随分とおかしいことをしているって分かるんだけど。
そんなことさえやってしまい、そして分からないくらいにあたしは強く緊張していた。