初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
スタンプカードの裏面には、このお店で使える特典が書かれている。
お気に入りのメイドとペアでのポラ撮影、指定したメイドのオリジナルメッセージカード、次回来店時の割引サービス――この中から、どれか1点。
もちろん、スタンプを全部埋めてくれた人に対する特典で、今、シンさんのカードは一杯になったから、この特典の中から好きなのを選んでもらえることになる。
残りの捺印、それから署名欄にシンさんの名前――それらを新しいカードに移行し終えたあたしは、カードの裏面を読んでいるであろうシンさんに新しいカードを手渡そうと顔を上げると、
「新しいカード、ありがとう」
意外にも、シンさんはカードを持ったまま、じっとあたし見つめて待っているようだった。
「あ――はい、新しいカードです」
毎回メニューは熱心に眺めているのに、意外だな……っていう気持ちを隠しながら、慌てて手にしたカードをシンさんに手渡す。
「今すぐ決めなくても大丈夫ですので、またいつでも特典をご使用くださいね」
今すぐ決めるのも難しいのかもと思ったあたしはそう言ったけど、
「ううん。――実はね、もう決めてあったんだ」
首を振り、こっそりと呟くように告げるシンさん。
少し恥ずかしそうにはにかみながらも、あたしの顔を真っ直ぐに見つめて微笑み、
「さくらちゃんとの2ショット――お願いします」
お気に入りのメイドとペアでのポラ撮影、指定したメイドのオリジナルメッセージカード、次回来店時の割引サービス――この中から、どれか1点。
もちろん、スタンプを全部埋めてくれた人に対する特典で、今、シンさんのカードは一杯になったから、この特典の中から好きなのを選んでもらえることになる。
残りの捺印、それから署名欄にシンさんの名前――それらを新しいカードに移行し終えたあたしは、カードの裏面を読んでいるであろうシンさんに新しいカードを手渡そうと顔を上げると、
「新しいカード、ありがとう」
意外にも、シンさんはカードを持ったまま、じっとあたし見つめて待っているようだった。
「あ――はい、新しいカードです」
毎回メニューは熱心に眺めているのに、意外だな……っていう気持ちを隠しながら、慌てて手にしたカードをシンさんに手渡す。
「今すぐ決めなくても大丈夫ですので、またいつでも特典をご使用くださいね」
今すぐ決めるのも難しいのかもと思ったあたしはそう言ったけど、
「ううん。――実はね、もう決めてあったんだ」
首を振り、こっそりと呟くように告げるシンさん。
少し恥ずかしそうにはにかみながらも、あたしの顔を真っ直ぐに見つめて微笑み、
「さくらちゃんとの2ショット――お願いします」