初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「それに――お前、危なっかしいんだよ」
けれど、今日はそっぽを向きながらぼそりと言葉が続く。
「でも……」
「あーもー、お前、危機感なさすぎ!」
ほんの少しイラついたようにあたしにそう言ったタクミは、自分の頭に手をやってがしがしとかき回したあと、
「ついこの前だって、勝手口で待たれてただろ?」
あ――シンさんのことだ……
「あの人、悪い人じゃないの。ううん、すっごくいい人だし、お店に来る他のお客さんとは全然違って――……」
こんなことを言うとお店のメイドとして失格なのかなって思うけど。
でも、どうしてもシンさんのイメージを払拭させたくて、あたしは必死だったような気がする。
「ルール違反をするヤツは、みんな一緒だ。――それに、この間のヤツはなんだか気に食わないんだよ」
う……なんだか分からないけれど、シンさんをかなり嫌ってるみたい……
「だから、俺は俺の納得する形で勝手にやってるだけなんだよ」
お前が気に病む必要はねぇよ、と言って、タクミはぽん、といつものようにあたしの頭に手をやる。
「……」
その手を受けながら――あたしの心は、ものすごく落ち込んでいた。
けれど、今日はそっぽを向きながらぼそりと言葉が続く。
「でも……」
「あーもー、お前、危機感なさすぎ!」
ほんの少しイラついたようにあたしにそう言ったタクミは、自分の頭に手をやってがしがしとかき回したあと、
「ついこの前だって、勝手口で待たれてただろ?」
あ――シンさんのことだ……
「あの人、悪い人じゃないの。ううん、すっごくいい人だし、お店に来る他のお客さんとは全然違って――……」
こんなことを言うとお店のメイドとして失格なのかなって思うけど。
でも、どうしてもシンさんのイメージを払拭させたくて、あたしは必死だったような気がする。
「ルール違反をするヤツは、みんな一緒だ。――それに、この間のヤツはなんだか気に食わないんだよ」
う……なんだか分からないけれど、シンさんをかなり嫌ってるみたい……
「だから、俺は俺の納得する形で勝手にやってるだけなんだよ」
お前が気に病む必要はねぇよ、と言って、タクミはぽん、といつものようにあたしの頭に手をやる。
「……」
その手を受けながら――あたしの心は、ものすごく落ち込んでいた。