初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
緊張の土曜日・2 「病院×タクミ×流れ星」
 ピピピピ、ピピピピ――……

「……」

 目覚まし時計の代わりに使っている携帯の目覚まし機能のアラーム音が、覚醒を促すようにあたしの頭上で鳴り響く。

 いつもなら、朝の目覚めが悪くて、保険的な意味で設定しているスヌーズ機能が何度も働いてからようやく起床、って感じなんだけれど。

「――」

 この日のあたしは、スヌーズ機能に移行することなく、1度で目が覚めた。

 ……っていうか、緊張しすぎてあまり眠れていないっていうのもあるんだけれど。

 上半身を起こして、自分の胸に手をやる。

「……」

 ドキドキして仕方がない。

 でも……

 不思議と、なんだか落ち着いている部分があるのも事実。

 覚悟を決めた、って言えば大げさだよね。

 どんな1日になるのかな――?

 ほんの少しのわくわくを感じながら、あたしはゆっくりと背伸びをして布団から出て行った。
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