初恋は前途多難！ ～朗らか社会人とメイド女子高生 【１：出会い編】

　血液結果の紙を机の上に置き、一通りの触診を受ける。

　聴診器をあてられたり、目や喉を調べられたあと、診察台の上に寝て腸の動きを調べられたり。

「今日からまた違う薬を試します。副作用は、前の薬と同じように、倦怠感や眠気が数時間後にやってきますから、必ず部屋で安静にしていること」

　触診を終えると、お医者様がカルテに何かを書き込みながらあたしに投薬の諸注意を説明してくれた。

「はい」

　……なんて、しれっと嘘をついて返事をする。

　でも、前の薬だってそんなに副作用はなかったから、多分今回も大丈夫だと思う。

　何度も遊びに行ったりしているし、ね。

「それから、飲むお薬も変えています。１日２回、食後にね」

「はい、分かりました」

「それでは、注射をしてもらってください。また再来週に結果を見せてくださいね」

「はい。ありがとうございました」

　診察室での受診は短いもの。

　そのあと看護士さんに案内され、隣の部屋で血管注射を受ける。

　それがあたしの病院内での一連の流れだった。