初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「――ごめんね、いきなり後ろから」
「え……?」
「レジ」
少し申し訳なさそうな表情で言いながら、シンさんはあたしのカップを持ってそっと目の前に置いてくれる。
「実は、ぼくもお店に入ろうと思ったとき、一足先にさくらちゃんが入って行くのを見かけたんだ。声をかけようとしたんだけど、熱心にパンを選んでいたから、声をかける機会が逃げちゃって――」
「す、すみません……」
見られていたと思ったら、なんだかすごく恥ずかしい。
「いや……見ていただけのぼくも悪いんだし、レジに向かうのを見て慌てて追いかけて……無理矢理一緒しちゃったんだ」
確かに、さっきのはすごく驚いた。
「でも、一緒にお会計は悪いですから……あの、自分の分だけでも払います」
慌ててそう言い、バッグからお財布を出そうとすると、
「いいよ。今日はぼくが誘ったんだから、さくらちゃんが払う必要はない」
そんなあたしを制して、シンさんはキッパリとそう言う。
その顔が少し引き締まった表情に見えたけど。
「……一応、ぼくは社会人で稼ぎがあるんだからね。頼られないと、困っちゃうなぁ」
次の言葉では、またさっきと同じような温かい微笑みになっていた。
「え……?」
「レジ」
少し申し訳なさそうな表情で言いながら、シンさんはあたしのカップを持ってそっと目の前に置いてくれる。
「実は、ぼくもお店に入ろうと思ったとき、一足先にさくらちゃんが入って行くのを見かけたんだ。声をかけようとしたんだけど、熱心にパンを選んでいたから、声をかける機会が逃げちゃって――」
「す、すみません……」
見られていたと思ったら、なんだかすごく恥ずかしい。
「いや……見ていただけのぼくも悪いんだし、レジに向かうのを見て慌てて追いかけて……無理矢理一緒しちゃったんだ」
確かに、さっきのはすごく驚いた。
「でも、一緒にお会計は悪いですから……あの、自分の分だけでも払います」
慌ててそう言い、バッグからお財布を出そうとすると、
「いいよ。今日はぼくが誘ったんだから、さくらちゃんが払う必要はない」
そんなあたしを制して、シンさんはキッパリとそう言う。
その顔が少し引き締まった表情に見えたけど。
「……一応、ぼくは社会人で稼ぎがあるんだからね。頼られないと、困っちゃうなぁ」
次の言葉では、またさっきと同じような温かい微笑みになっていた。