初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「ごっ、ごめんなさい――っ!」
慌てて謝って視線を外すと、あたしはトレイの上に置いていたクロワッサンを手にして食べ始める。
これで気が紛れるわけじゃないけれど――でも、こうでもしていないと、またシンさんのことをまじまじと見そう。
意識をクロワッサンに集中しようとしたら、
「――さくらちゃんなら、ずっと見られていてもいいんだけどなぁ」
ぽそり、と向かい側から声が聞こえて、
「えっ……」
思わずクロワッサンが手からこぼれ落ちそうになった。
「ぼくも見つめていたいからね」
顔を上げると、そこにはにっこりと笑ってあたしを見つめるシンさんの顔。
「ダメかな?」
そう言われても――答えに窮する。
「え、っと……その……」
イヤ、なんて言えない。
むしろ、あたしを見てくれるってことに――少し、嬉しい気持ちがある。
「大丈夫、です……」
シンさんの問いに、小さく頷き、やっとの思いで返事をした。
慌てて謝って視線を外すと、あたしはトレイの上に置いていたクロワッサンを手にして食べ始める。
これで気が紛れるわけじゃないけれど――でも、こうでもしていないと、またシンさんのことをまじまじと見そう。
意識をクロワッサンに集中しようとしたら、
「――さくらちゃんなら、ずっと見られていてもいいんだけどなぁ」
ぽそり、と向かい側から声が聞こえて、
「えっ……」
思わずクロワッサンが手からこぼれ落ちそうになった。
「ぼくも見つめていたいからね」
顔を上げると、そこにはにっこりと笑ってあたしを見つめるシンさんの顔。
「ダメかな?」
そう言われても――答えに窮する。
「え、っと……その……」
イヤ、なんて言えない。
むしろ、あたしを見てくれるってことに――少し、嬉しい気持ちがある。
「大丈夫、です……」
シンさんの問いに、小さく頷き、やっとの思いで返事をした。