初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
そう思っているうちに、車は信号にかかり、ゆっくりと停止線へ。
「――退屈、だよね……」
車が停まると、運転席のシンさんがぽつりと呟く。
「え――?」
「2人きりになったら、色んなことを話しようって思ってた。話のネタもたくさん考えてたんだけどね……でも、こうやって実際に2人きりになってみたら、ぼくは何も話せないでいて……」
もう1度、小さく「ごめんね」と呟くシンさん。
「退屈しのぎに、ラジオでもかけたほうがいいかな?」
「あ、いえ――……」
その言葉に首を振り、あたしはそろりと隣のシンさんを見上げると、
「その……あたしもごめんなさい。何も話さずに、ただ乗ってるだけで」
「いいや。さくらちゃんが緊張していなかったらいいんだ」
にこり、と笑いかけてくれる。
「はい。このシート、とってもふかふかで――すっごく気持ちいいんで、ついついリラックスしすぎちゃってるなぁって思ってたところなんです」
「あははっ――ちょっと硬いかなって思ってたけど、そうやってリラックスしてくれて嬉しいよ」
「思わず寝ちゃいそうな勢いです」
冗談めかしながらそう言って笑うと、シンさんも「本当に寝ていいよ」って言って、また笑ってくれた。
「――退屈、だよね……」
車が停まると、運転席のシンさんがぽつりと呟く。
「え――?」
「2人きりになったら、色んなことを話しようって思ってた。話のネタもたくさん考えてたんだけどね……でも、こうやって実際に2人きりになってみたら、ぼくは何も話せないでいて……」
もう1度、小さく「ごめんね」と呟くシンさん。
「退屈しのぎに、ラジオでもかけたほうがいいかな?」
「あ、いえ――……」
その言葉に首を振り、あたしはそろりと隣のシンさんを見上げると、
「その……あたしもごめんなさい。何も話さずに、ただ乗ってるだけで」
「いいや。さくらちゃんが緊張していなかったらいいんだ」
にこり、と笑いかけてくれる。
「はい。このシート、とってもふかふかで――すっごく気持ちいいんで、ついついリラックスしすぎちゃってるなぁって思ってたところなんです」
「あははっ――ちょっと硬いかなって思ってたけど、そうやってリラックスしてくれて嬉しいよ」
「思わず寝ちゃいそうな勢いです」
冗談めかしながらそう言って笑うと、シンさんも「本当に寝ていいよ」って言って、また笑ってくれた。