初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「さくらちゃん、って言う名前も、もちろん大好きだよ? きみにぴったりの可愛らしい名前だからね。でも――本当の名前はもっときみにぴったりで可愛いんだろうなって思ったら……すごく知りたくて、仕方ないんだ」
また、シンさんの手が伸びてくる。
「……」
どきどきしながらそれを見守っていると、今度はあたしの髪の毛に。
1房手にし、そろりと触れた後で優しく髪を戻す。
たったそれだけの仕草なのに、あたしの顔は真っ赤だったと思う。
「――やれやれ、また青になっちゃった」
ちらり、と前を向いて信号を確認すると、残念そうに呟いたシンさんは再び前を向いて運転を再開。
「……ごめん、今の言葉は聞き流してくれてもいいよ」
前を向きながら、ぽつりと付け足すようにシンさんはそう言った。
「……」
あたしは赤くなった頬のまま、再び俯いて静かなエンジン音を聞いていたけど。
『ずっと知りたかったんだ。――きみの本当の名前』
さっきのシンさんの言葉が何度もフラッシュバックする。
どうしてだろう――シンさんになら、言ってもいいって思う。
あたしは――あたしの名前は……
また、シンさんの手が伸びてくる。
「……」
どきどきしながらそれを見守っていると、今度はあたしの髪の毛に。
1房手にし、そろりと触れた後で優しく髪を戻す。
たったそれだけの仕草なのに、あたしの顔は真っ赤だったと思う。
「――やれやれ、また青になっちゃった」
ちらり、と前を向いて信号を確認すると、残念そうに呟いたシンさんは再び前を向いて運転を再開。
「……ごめん、今の言葉は聞き流してくれてもいいよ」
前を向きながら、ぽつりと付け足すようにシンさんはそう言った。
「……」
あたしは赤くなった頬のまま、再び俯いて静かなエンジン音を聞いていたけど。
『ずっと知りたかったんだ。――きみの本当の名前』
さっきのシンさんの言葉が何度もフラッシュバックする。
どうしてだろう――シンさんになら、言ってもいいって思う。
あたしは――あたしの名前は……