初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
地下駐車場にあったエレベーターは、その辺りの雑居ビルにあるようなごく普通のシンプルな造りのそれと同じようなもの。
あたしの背に手を回していないほうの手で、シンさんがエレベーターのボタンを押して呼ぶ。
すぐに到着の涼やかな音が響き、ゆっくりとドアが開く。
「……」
中を見て少し意識が変わる。
床が赤い絨毯になっていて、内装も――この壁、大理石っぽい。
今までの素っ気ない場所から、一気に別世界への入口にやって来た気分。
「どうぞ」
「あ、は、はい――」
エレベーターの内部に意識を奪われていると、ふわりとした優しいシンさんの促しの声が聞こえ、あたしは慌ててエレベーターへと乗り込む。
あたしに続くようにシンさんもエレベーターに乗ると、ボタンを押してゆっくりとドアが閉まった。
ぐん、と一瞬だけ重力がわずかに強くなり、あたしたちをゆっくりと上へと送ってくれている。
エレベーターの内部の行き先のボタンは、2つ。
B1と1Fだけ。
どうやら、このエレベーターはロビーと地下駐車場だけを繋ぐためのエレベーターみたいだった。
あたしの背に手を回していないほうの手で、シンさんがエレベーターのボタンを押して呼ぶ。
すぐに到着の涼やかな音が響き、ゆっくりとドアが開く。
「……」
中を見て少し意識が変わる。
床が赤い絨毯になっていて、内装も――この壁、大理石っぽい。
今までの素っ気ない場所から、一気に別世界への入口にやって来た気分。
「どうぞ」
「あ、は、はい――」
エレベーターの内部に意識を奪われていると、ふわりとした優しいシンさんの促しの声が聞こえ、あたしは慌ててエレベーターへと乗り込む。
あたしに続くようにシンさんもエレベーターに乗ると、ボタンを押してゆっくりとドアが閉まった。
ぐん、と一瞬だけ重力がわずかに強くなり、あたしたちをゆっくりと上へと送ってくれている。
エレベーターの内部の行き先のボタンは、2つ。
B1と1Fだけ。
どうやら、このエレベーターはロビーと地下駐車場だけを繋ぐためのエレベーターみたいだった。