初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
「いらっしゃいませ」
エレベーターから出ると、すぐにホテルの人があたしたちの前にやって来た。
「――……」
ネクタイを締め、落ち着いた色のスーツを着ている中肉中背で短い髪を清潔そうに整えている中年の男性。
何も分からないあたしでも、一目見ただけで普通のベルボーイとかの普通の従業員じゃないって分かる。
「ここのレストランを予約していた――志地雄、です。……今日はよろしくお願いいたします」
男性が口を開きかけたとき、先にシンさんが言葉を発する。
「は、はい――……志地雄さま、ようこそお越し下さいました」
先にシンさんに口を開かれて、相手は少し戸惑っている様子だったけど、すぐに体裁を取り繕って深々とお辞儀をした。
つられるようにあたしも頭を下げたけど――ホテルの人はシンさんと話していたんだから……後になっておかしいかなって、反省。
「ようこそお越し下さいました」
けれど、ぺこりと頭を下げたあたしにも、相手はにこやかに笑って丁寧なお辞儀をしてくれた。
「じゃあ、行こう」
その様子を見たあと、シンさんは優しく言葉をかけてくれたあと、あたしの背に回していないほうの手でフロアの向こうの壁際にあった螺旋階段を指し示してくれたあと。
そっと背中に触れてくれている手に力を込め、歩くのを促してくれた。
エレベーターから出ると、すぐにホテルの人があたしたちの前にやって来た。
「――……」
ネクタイを締め、落ち着いた色のスーツを着ている中肉中背で短い髪を清潔そうに整えている中年の男性。
何も分からないあたしでも、一目見ただけで普通のベルボーイとかの普通の従業員じゃないって分かる。
「ここのレストランを予約していた――志地雄、です。……今日はよろしくお願いいたします」
男性が口を開きかけたとき、先にシンさんが言葉を発する。
「は、はい――……志地雄さま、ようこそお越し下さいました」
先にシンさんに口を開かれて、相手は少し戸惑っている様子だったけど、すぐに体裁を取り繕って深々とお辞儀をした。
つられるようにあたしも頭を下げたけど――ホテルの人はシンさんと話していたんだから……後になっておかしいかなって、反省。
「ようこそお越し下さいました」
けれど、ぺこりと頭を下げたあたしにも、相手はにこやかに笑って丁寧なお辞儀をしてくれた。
「じゃあ、行こう」
その様子を見たあと、シンさんは優しく言葉をかけてくれたあと、あたしの背に回していないほうの手でフロアの向こうの壁際にあった螺旋階段を指し示してくれたあと。
そっと背中に触れてくれている手に力を込め、歩くのを促してくれた。