初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】
あたしを椅子に座らせてくれたあと、シンさんも向かいの椅子に腰を落ち着ける。
シンさんの椅子は、案内してくれたギャルソンが引いていた。
相手がプロっていうのもあるからだと思うけれど――シンさんの座る動きは、スマートで綺麗。
思わず、じっと見とれちゃった。
「――どうかしたの?」
椅子に座ったあと、小さく背や座る位置を変えて軽く居住まいを整えてから、シンさんはあたしの顔を見てにっこり微笑む。
「あ、その……」
見とれていた――なんて、言えない。
「えっと……こういう場所には来たことがなくて――」
必死に言い訳を探しながら、あたしはちらりと辺りを見渡す。
調度品のおかげで他の席の様子は分からない。
けれど、お店の雰囲気や内装はしっかりと分かる。
ふかふかのワインレッドの絨毯に、白を基調とした壁に金が縁取られていて、壁や天井についているシャンデリアやレトロな照明が、温かい色で店内を落ち着いて照らしていた。
窓がないから外の様子は分からないけれど、それがかえって照明からの落ち着きの効果を誘っているのかも。
とにかく、今まで生きてきた中で来ることのなかったお店だって言うことはよく分かった。
シンさんの椅子は、案内してくれたギャルソンが引いていた。
相手がプロっていうのもあるからだと思うけれど――シンさんの座る動きは、スマートで綺麗。
思わず、じっと見とれちゃった。
「――どうかしたの?」
椅子に座ったあと、小さく背や座る位置を変えて軽く居住まいを整えてから、シンさんはあたしの顔を見てにっこり微笑む。
「あ、その……」
見とれていた――なんて、言えない。
「えっと……こういう場所には来たことがなくて――」
必死に言い訳を探しながら、あたしはちらりと辺りを見渡す。
調度品のおかげで他の席の様子は分からない。
けれど、お店の雰囲気や内装はしっかりと分かる。
ふかふかのワインレッドの絨毯に、白を基調とした壁に金が縁取られていて、壁や天井についているシャンデリアやレトロな照明が、温かい色で店内を落ち着いて照らしていた。
窓がないから外の様子は分からないけれど、それがかえって照明からの落ち着きの効果を誘っているのかも。
とにかく、今まで生きてきた中で来ることのなかったお店だって言うことはよく分かった。